今月の健康情報は「風しん・先天性風しん症候群」です。
風しん・先天性風しん症候群
昨年から今年にかけて首都圏を中心に全国的に流行している風しんですが、妊娠初期の女性が風しんウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんに悪影響が起こる可能性があることをご存知ですか?
今回の健康情報では、風しん・先天性風しん症候群の症状や予防法についてご紹介します。
風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる感染症で、発疹や発熱、リンパ節の腫れが主な症状です。
感染した人の咳やくしゃみなどでウイルスを含んだ飛沫が飛び散り、それを吸い込むことで感染(飛沫感染)します。
妊娠20週頃までの女性が風しんに罹ると、おなかの赤ちゃんにも風しんウイルスが感染することがあり、難聴、心疾患、白内障などの障がいをもって生まれる可能性があります。これらの障がいを先天性風しん症候群といいます。
ただし、妊娠21週以降であれば影響は低くなるため、子どもをあきらめる必要はありません。
妊娠中は風しんワクチンの接種を受けられないため、先天性風しん症候群を防ぐためには、男性を含め妊婦の周囲の人々が予防接種を受けて風しんの流行を起こさないことがとても重要です。
風しんを予防するには、予防接種が最も有効な方法です。特に、以下に当てはまる方は、積極的に抗体検査や予防接種を受けましょう。
妊娠中は風しんワクチンの接種を受けられないため、妊娠する前に抗体検査や予防接種を受けることが大事です。
※ワクチン接種後、2ヶ月間は避妊が必要です。
また、ほとんどの医療機関では妊婦健診で風しん抗体検査を実施しているため、妊娠歴のある方は過去の抗体検査結果を母子健康手帳で確認しましょう。
妊婦と同居している家族や、職場に妊婦が居る方は、妊婦に風しんをうつさないために予防接種を検討しましょう。
(ワクチン接種や風しんに罹った記録がない方)
現在30代~50代の男性は、定期接種で受ける機会が無かったり、接種率が低かったため、風しんに罹りやすい世代です
39歳~56歳の方も定期接種の対象に!
厚生労働省は、これまで公的な接種の対象外だった世代の男性に対し、抗体検査とワクチン接種を原則無料とする方針を発表しました。対象者に追加されるのは昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性で、まずは2019年4月から3年間実施される予定です。
妊娠中の方で風しんに対する十分な免疫がない方は、感染を避けるために次のようなことに注意しましょう。
・妊娠中はできるだけ不要不急の外出を避ける
・夫や同居している家族にはすぐ抗体検査を受けてもらう
・自分や家族、職場の人などが風しんに感染したら、かかりつけの医師に相談する
・出産後、できるだけ早く、予防接種を受ける
風しんに罹ったかどうか、予防接種を受けたことがあるか分からない場合、まずは抗体検査を受けて免疫があるかどうかを調べましょう。検査結果を確認し、医師と相談の上で、予防接種を受けるかどうかを決めることをおすすめします。また、自治体によっては、抗体検査の費用の助成を行っているところもあるので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
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