健康情報を更新しました 「家庭での食中毒予防」
今月の健康情報は「家庭での食中毒予防」です。
家庭での食中毒予防
雨や湿気が続く6月は、ジメジメしてどうしても気が滅入りがちになりますよね。
また、この時期から湿気が原因による菌の増殖により、食中毒を引き起こす可能性も高まっていきます。
「食中毒」というと、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。家庭における食中毒は、症状が軽かったり、家族のうち全員には症状がでなかったりする場合もあるため、食中毒であると認識されないケースも少なくありません。
そこで今回は「家庭での食中毒予防」についてご紹介します。
食中毒とは、食中毒を起こす元となる細菌やウイルス、有害な物質がついた食べ物を食べることによって、下痢や腹痛、発熱、吐き気などの症状が出る病気のことです。
食中毒の原因によって、病気の症状や食べてから病気になるまでの時間はさまざまです。
食中毒は季節を問わず発生しますが、季節によって多く起こる食中毒は異なります。
例年、食中毒の発生件数の半数以上は初夏から初秋にかけて発生し、8~9月がピ-クになります。高温で細菌の増殖が盛んであること、冷たいものがおいしく感じられる時期で加熱せずに食べる機会が多いこと、暑さで体調をくずし抵抗力が衰えがちなことなどが食中毒の増加に影響しています。
近年、発生件数が増加しているカンピロバクター食中毒は代表的な細菌性食中毒です。主な原因食品は、生や加熱不十分な鶏肉や牛レバーです。
発生件数は減少していますが、卵が原因食品となることが多いサルモネラ食中毒にも気を付けなければなりません。
食中毒の原因となるものは次にあげられます。
食中毒の原因 | 種類 |
---|---|
細菌 | カンピロバクター、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌、ブドウ球菌 等 |
ウイルス | ノロウイルス 等 |
自然毒 | フグ毒、貝毒、毒キノコ 等 |
化学物質 | 重金属、農薬 等 |
その他 | アニサキス 等 |
特に細菌とウイルスは食中毒原因の約90%を占めています。
参照:厚生労働省「我が国における食中毒の発生状況と課題」
通常の細菌の場合、食べ物に数10万~100万個の細菌が付着していなければ感染しないといわれていますが、腸管出血性大腸菌(O-157)や鶏卵などから感染するサルモネラ・エンテリティディスなどは、通常の細菌の約1万倍という強い感染力を持っているため、100個程度の菌が付着した食べ物でも食中毒を引き起こし、症状も重篤になる場合があります。
食中毒予防の3原則は、「付けない」「増やさない」「やっつける」です。
清潔を保つためには、細菌による汚染を防ぐ=菌を付けないことが重要です。
●調理や食事の際は手をよく洗う
生魚や貝類、生肉、卵などに触れた後は、次の手順に入る前に手を洗いましょう。
●包丁やまな板は、使用後すぐに洗剤で洗う
特に魚や貝類、肉などを切ったときはその都度洗いましょう。
熱湯をかけて使用するとより安全です。
●食材に菌を付けない
生で食べる野菜や果物は、中性洗剤を使って洗い、すすぎ洗いを十分にします。
買い物の際は魚や肉はビニール袋やラップで放送し、他の食品に触れたり、冷蔵庫の中で汁が流れ出て他の食品に菌が付かないようにしましょう。
長く常温で放置すると細菌は増殖してしまうため、食品の取り扱いにも注意が必要です。
●食品の購入後も注意
魚や肉は調理する直前まで冷蔵庫に保管し、魚や貝類は流水で洗った後調理します。
●食品を長く空気に触れさせない
食品は新鮮なうちに調理し、料理は作ったらすぐに食べるようにします。
調理済みの食品や弁当などは買ったらすぐに食べましょう。
食品を適切に処理して、有害な菌やウイルスを殺菌してから食べるようにしましょう。
●材料の中心部まで熱を通す
調理する際は、材料を十分に加熱します。
特にひき肉や卵を使用した料理は生焼けや半熱に注意し、肉の生食は避けましょう。
●冷蔵庫での保管にも注意する
残った料理や材料はラップなどをして速やかに冷蔵に保管します。
細菌の多くは冷蔵庫内では増殖しませんが、低温菌と言われる一部の細菌は増殖します。
冷蔵庫内の温度が高くならないよう注意し、清掃と消毒を心がけましょう。
以上の3原則を意識し、食品の購入や保存、下準備、調理方法に気を配りましょう。
また、残った食品の管理においても、清潔な手で行う、保管期間に注意する、温めなおしを十分にするなど注意が必要です。
意識して予防を行うことで、食中毒を引き起こす可能性を減らすことができます。
嘔吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようというからだの防御反応です。
市販の下痢止め等の薬をむやみに服用しないようにし、早めに医師の診断を受けましょう。
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健康情報を更新しました 「自宅でできる運動不足解消法」
今月の健康情報は「自宅でできる運動不足解消法」です。
自宅でできる運動不足解消法
春になり、温かい気候でだんだんと動きやすくなってきましたね。
突然ですが、皆さんは日常生活でどのくらい身体を動かしていますか?
現代では、家事や仕事の自動化、交通手段の発達により、身体活動量が低下してきているといわれています。
そこで今回は「運動不足が心身に及ぼす影響」と「自宅でできる運動不足解消法」についてご紹介します。
厚生労働省では、運動習慣者を「1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者」としていますが、日頃からあまり外出もせず運動不足になると心身の動きが鈍くなり、以下のような悪影響を及ぼします。
・筋力が低下する
・血流や自律神経の動きが低下する
・姿勢が悪くなる
・肩こりや腰痛、疲れやすさの原因になる
・関節が動かしにくくなる
・免疫力がおちる
・骨折しやすくなる
・ストレスがたまる
・頭の動きが低下する
「動かない」状態が続くことによる心身の機能低下で「動けなくなる」恐れもあります(「生活不活発病」)
特に高齢者の場合は、運動不足で筋肉量が落ちると体が弱って転倒や骨折をしやすくなり寝たきりになる恐れがあります。
また、糖尿病や高血圧など持病がある人が運動しない状態を続けると、別の新たな病気になるリスクも高くなります
運動不足を解消し、こうしたリスクを避けるためには長期的に運動を継続していくことが大切です。
10分程度の歩行を1日に数回行う程度でも、健康上の効果が期待できると言われています。
また、家事、通勤のための歩行などの日常生活活動、余暇に行うレジャー活動やスポーツなどすべての身体活動が健康に欠かせないものと考えられています。
しかし、そういった時間がなかなか無いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、自宅でも簡単に行える運動不足解消法をご紹介します。
※運動をする際の注意点※
●無理をして転んだりしないように注意してください。
●負担をかけすぎるのはけがや故障の原因になります。自らの体重・体調・体力に応じてできる範囲で行いましょう。
●病院で治療等を受けている方は医師の指示に従ってください。
下半身の筋肉を鍛えることで、基礎代謝の向上や運動の質を上げることができます。
①足を肩幅に開きます。
②股関節に意識を向けて4秒間かけてゆっくりと腰を落とします。
※できるだけ、ひざが足の指先より前にいかないように足をまげます
最大90度までを目指してください。
③4秒間かけてゆっくりと元に戻ります。
自分のペースで無理のない回数を繰り返してください。息を止めないよう行いましょう。
①高齢者の方やかがむ体勢が難しい方は、椅子を使ってスクワットしてみましょう。
※椅子は動きにくい安定したものを使いましょう
背筋を伸ばして椅子に座り、両手は胸の前で腕組みをします。
②4秒かけてゆっくり椅子に腰を下ろします。
③ひざが完全に伸びるまで、4秒かけて立ち上がります。息を止めないよう行いましょう。
自分のペースで無理のない回数を繰り返してください
肩甲骨まわりの凝りをほぐすことで血流がよくなり、疲労軽減にも効果が期待できます。
①両手を上にあげて伸びをします。
※立っても座ってもどちらでも構いません
①上げた腕の片方の肘をつかみ、反対側にゆっくり引き寄せます。右腕、左腕を交互に行います。
③肩甲骨回りの血流を意識しながら、ひじを開いて両肩を同時に回します。
硬くなった関節をほぐす効果が期待できます。
ネコのポーズは四つんばいになって両手を前に出し、お尻を後ろに突き出して背中を伸ばします。
呼吸を止めず、ゆっくり繰り返しながら行うことで身体をほぐしていきます。
※無理せず気持ちの良い程度で、少しずつ腕を伸ばす範囲を広げてください
15~20秒ほど、3セット行います。
関節は寝ている間に硬くなるので、朝起きて行うのも良いでしょう。
その他、ラジオ体操やその場足踏みも自宅でできる運動としておすすめです。
無理のない範囲で毎日継続して行うことが大切です。
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健康情報を更新しました 「正しい手洗い」
今月の健康情報は「正しい手洗い」です。
正しい手洗い
感染症や食中毒に対して個人でできる予防の一つが「手洗い」です。今回は「抑えておくべき手洗いのタイミング」や「正しい手洗いの方法」など、病気から身を守るための手洗いのポイントについてご紹介します。
ウイルスや細菌などによる多くの感染症や食中毒は、病原体に口や鼻、目などの粘膜などが直接触れることによって感染します(これを「接触感染」といいます)。
また感染しない場合でも、ウイルスや細菌が付着した手でいろいろな場所を触ることによって感染を広げる場合があります。特にドアノブや手すり、つり革、ボタン、トイレの便座など多く人の手が触れる場所は病原体が付着することが多いため、日常の中でこまめに手を洗ってウイルスや細菌を洗い流すことが大切です。
また手洗いはアルコールが利かないノロウイルスなどにも有効です。
鼻をかんだ後などの「ウイルスや細菌が付着しやすいタイミング」や、料理・食事など「ウイルスや細菌を広げやすい・取り込みやすいタイミング」での手洗いは特に重要です。
・咳やくしゃみ、鼻をかんだ後
・トイレの後
・動物や昆虫にふれた後
・登校/出社した時、外から戻ってきた時、帰宅した時
・料理や食事をする前 など
ユニセフ「感染症予防に、正しい手洗いを石けんを使って「20秒以上」新型コロナウイルスへのユニセフの対応」より)
その他さまざまなタイミングで頻繁に手を洗うことが大切です。
手洗いをするときは洗い残しがないようにしっかり行いましょう。
厚生労働省「手洗いマニュアル」より
0. 手洗いの前に:爪を短く切り、時計や指輪を外しておきましょう
1. 石鹸を適量取り、手の平と平をよくこすり合わせます
2. 手の甲をもう一方の手のひらでこすります
3. 指を組んで両手の指の間をこすります
4. 親指をもう片方の手でつつみこすりします
5. 指先(爪)でもう片方の手のひらをこすります
6. 両手首まで丁寧にこすり、流水ですすぎます
洗い終わったら清潔なタオルやペーパータオルでよくふき取って乾かしましょう。その際タオルの共用は避けましょう。
また、食品や介護など手指の清潔が特に求められる現場では「手順6」までの上記工程を2回繰り返すことが効果的であるとされています。手を乾かした後にアルコール消毒を使用するとさらによいでしょう。
手のしわや指先、指の間、親指、手の甲、手首などは洗い残しが多くなるといわれています。意識してしっかり手洗いをしましょう。
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健康情報を更新しました 「「乳がん」「子宮頸がん」について知ろう」
今月の健康情報は「「乳がん」「子宮頸がん」について知ろう」です。
「乳がん」「子宮頸がん」について知ろう
3/1~3/8は女性の健康週間です。今回は女性が注意したい病気のうち、検査による早期発見が特に有効な2つのがん「乳がん」「子宮頸がん」についてお伝えします。
乳がんは乳房にできる悪性の腫瘍で、日本人女性がかかるがんの第1位(※)です。30代からかかる人が増加しはじめ、40~50代でピークを迎えます。また、閉経後に乳がんになる人も増えています。
※地域がん登録全国合計によるがん罹患データ(2014年): 国立がん研究センター
明確な原因は分かっていませんが、エストロゲンという女性ホルモンが関わっているといわれています。なので、以下のようにエストロゲンが出る期間が長い、または女性ホルモンを補う薬の服用や治療の経験があると乳がんができやすくなるといわれています。
・初潮が早い、閉経が遅い
・経口避妊薬やホルモン補充治療の経験がある など
乳がんの症状は乳房を中心に現れます。具体的な乳がんの症状には以下のものがあります。
・乳房の皮膚の表面が凸凹していたり、ザラザラしている
一般に、しこりのように乳房にできる腫瘍には、悪性のものと良性のものがあります。乳がんは乳房にできる悪性腫瘍ですが、良性腫瘍との違いは、全身に広がるかどうかです。悪性腫瘍である乳がんは、血管やリンパ管を通して、全身にがん細胞が転移していきます。
乳がんは早期発見・治療で治る可能性が高いがんですが、初期は自覚症状がないことが多いです。定期的に検診を受けて早期発見に努めましょう。40歳以上の方は特に、2年に1回受けることが勧められています。
乳がんの検査には以下のようなものがあります。
乳腺・乳房専用のレントゲン撮影です。乳房を板で平らにしてエックス線を照射します。しこりになっていない「早期がん」を見つけることが可能です。
乳腺・乳房専用のエコー検査です。乳房に専用のゼリーをぬり、超音波を当てます。しこりのある乳がんを見つけたり、しこりの特徴をつかんだりするのに役立ちます。
子宮頸がんは子宮の入り口部分にできるがんです。若い世代の発症が多いのが特徴で、20代後半から増加し30代後半が発症のピークです。
主に性行為によって「ヒトパピローマウイルス(HPV)」に感染することで起こります。誰でも感染するありふれたウイルスですが、排出されずに感染が続くと子宮頸がんになると考えられています。
ほとんどの場合自覚症状がありませんが、以下の症状が出る場合もあります。
・性行為時の出血
・おりものが増える
初期は自覚症状がない病気のため、早期に発見するために検診を受けましょう。20歳を過ぎたら2年おきに受けるのがおすすめです。子宮頸がんの検査には以下のようなものがあります。
月経周期や生理痛の有無、経血量、妊娠歴などの問診を行います。
膣の中に膣鏡などの器具を入れ、炎症の有無や程度、おりものの状態など、子宮頸部の観察を行います。
子宮頸部をブラシやへらでこすり採って細胞を採取して顕微鏡で詳しく調べます。
乳がん、子宮頸がんいずれも早期発見で直る可能性が高い病気です。定期的に検診を受けて病気から身を守りましょう。
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健康情報を更新しました 「花粉症~セルフケアと治療でつらい症状を改善~」
今月の健康情報は「花粉症~セルフケアと治療でつらい症状を改善~」です。
花粉症~セルフケアと治療でつらい症状を改善~
スギ花粉の飛散が始まるこれからは花粉症の方にとってはつらい季節。まだなっていない方も今後かかる可能性もあります。今回は花粉を避けるためのセルフケアや病院で行う花粉症の治療方法について紹介します。
花粉に対して人間の体が起こすアレルギー性疾患の一つです。「アレルギー性鼻炎」や「アレルギー性結膜炎」とも呼ばれます。花粉(アレルゲン)が口や鼻、目に入ると体が花粉を「異物」と判断し体を守ろうとします。その結果くしゃみや鼻水、目・皮膚・喉のかゆみなどの症状が起こるのです。
日本では1年をとおしてさまざまな花粉が飛散しており、前年の気象やお住まいの地域によって飛散時期・飛散量が異なります。参考に、関東地方の飛散時期を以下に掲載してます。日本気象協会のウェブサイトなどでお住いの地域の飛散状況を確認してみましょう。
・スギ(飛散時期:2月上旬から4月下旬)
…日本の国土の12%を占め、花粉症患者の約7割はスギ花粉が原因といわれる
・ヒノキ(飛散時期:3月中旬から5月中旬)
…国内ではスギに次いで植林面積が広い。
・イネ科植物(飛散時期:それぞれの花期5月から10月)
…カモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤなど
・ブタクサ、ヨモギ(飛散時期:8~10月ごろ)
…秋の花粉症の原因に
花粉症対策の基本はできるだけ花粉を体内に入れないこと。日常生活の中で花粉対策をすることがとても重要なのです。
花粉を物理的に防ぐことは有効です。飛散が多い際には、マスクを使うことで吸い込む花粉の量を3分の1から6分の1に減らすことができるといわれています。予防にも効果的です。眼鏡の着用では目に入る花粉を2分の1から3分の1まで減らすことができるといわれています。
花粉が洗濯物につき、室内に持ち込まれるのを防ぎます。室内に入ってくる花粉量の約36%がふとんや洗濯物への付着による持ち込みだという研究もあります。
帰宅時は服についた花粉を落とし、早めにシャワーを浴びて体や髪の毛についた花粉を落としましょう。花粉がつきやすい上着などは玄関近くに収納し持ち込まないのがおすすめです。また、表面がつるつるして静電気を起こしづらい素材の衣類は花粉の付着を抑制することが期待されます。
うがいをすることで粘膜の花粉を除去することができます。また室内を適切に加湿することで粘膜自体を保護することもできます。
花粉症により日常生活に支障が出て困る場合は薬やレーザーなどによる治療が必要です。花粉症治療には主に以下の3つの治療法があります。
薬を服用して花粉症の症状を抑える治療法です。花粉症の薬は市販で販売されているものもありますが、それぞれ花粉症の種類や強く出る症状は違うため、医師による処方を受けましょう。
鼻炎治療用レーザーで鼻の表面の粘膜部分をレーザー照射で薄く焼却することで、鼻のアレルギー反応を鈍らせる治療法です。日帰りで行うことができる治療で副作用はほとんどありません。
薬やレーザー治療でも効果が十分でない場合にはアレルゲン療法が行われます。減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量投与していくことで、体をアレルゲンに慣らしアレルギーの症状を和らげる治療法です。皮下免疫療法と舌下免疫療法があり治療期間は3~5年と長いですが、年単位で治療を行うことで根本的な体質改善が期待できると考えられています。
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健康情報を更新しました 「寒い冬の入浴に注意!」
今月の健康情報は「寒い冬の入浴に注意!」です。
寒い冬の入浴に注意!
寒い日が続くと熱いお風呂に入りたくなりますね。入浴は気持ちよく体を温める反面、入り方によっては体の負担になる場合もあります。今回は入浴時に注意したい「ヒートショック」と「浴室での熱中症」についてご紹介します。
入浴の際、寒い脱衣所で衣服を脱ぎ、寒い浴室であわてて熱いお湯を体にかけていませんか?実はこれ、突然死につながる可能性のあるとても危険な行為なのです。体が急激な温度変化を受けると血圧や脈拍が乱れ体にダメージを引き起こす恐れがあります。これを「ヒートショック」といいます。
暖房の効いた部屋から寒い脱衣所や浴室に入ると体温を調節するため血管が収縮、血圧は上昇します。この状態で温かいお湯をかぶったり浴槽につかったりすることで血管が拡張、急上昇した血圧が急激に低下してしまうのです。入浴はヒートショックが起こりやすい場所だということを覚えておきましょう。
脳出血・脳梗塞、心筋梗塞、脳貧血によるめまいなどが起こり得ます。対応が遅れると死に至る可能性があります。
入浴するときは「寒暖差」「血圧の変動」を意識し以下のことに気を付けましょう。
暖房で温めたりシャワーで給湯・浴槽の蓋を開けておくなど蒸気を立てたりするとよいでしょう。
熱いお湯に入ると体に負担がかかります。41度以下のぬるめのお湯につかりましょう。
首までつかると心臓に負担がかかります。冷える場合は肩にタオルをかけるなどして対応しましょう。
飲食後は血圧が下がります。入浴中も血圧が下がるため血圧が下がりすぎる危険があります。
入浴時に気を付けることはヒートショックだけではありません。脱水症状や熱中症にも注意が必要です。入浴中の事故といえば前述の「ヒートショック」を思い浮かべますが、実は高齢者が入浴中に体調を崩す原因の8割が熱中症かその疑いがあることが分かっています(※)。
※千葉科学大・黒木尚長教授(法医学・救急救命学)の調査(2019年7月7日発表)より
意外に感じるかもしれませんが、冬は脱水症状になりやすいといわれています。皮膚や呼吸から蒸発する水分を「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」といい、一日当たり約1リットルの水分が失われています。他の季節に比べて乾燥している冬はこの不感蒸泄も増える傾向にあります。
また、冬は意外に多くの汗をかいているにもかかわらず喉が渇きにくいため。適切な水分補給をせず知らないうちに脱水症状になってしまう傾向にあります。
体の水分が不足したまま気温・湿度が高く風通しの悪いお風呂で長時間過ごすと熱中症の症状を引き起こす可能性があります。また特に高齢者は熱さ寒さを感じにくいことから、長時間の入浴で熱中症の初期症状が出ないまま意識障害に陥ることも多いため注意が必要です。
長湯しがちな冬は特に入浴中に汗をかき知らないうちに脱水症状に陥る危険も高まります。入浴前後に水やスポーツドリンクで水分補給を行いましょう。
長時間入浴していると体温が上がりすぎて意識障害をおこすことがあります。ぬるめのお湯(41度以下)に10分程度までを目安に入浴しましょう(※)。
※消費者庁「冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください!」(平成30年11月21日)
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健康情報を更新しました 「健康的に楽しく!お酒との正しい付き合い方」
今月の健康情報は「健康的に楽しく!お酒との正しい付き合い方」です。
健康的に楽しく!お酒との正しい付き合い方
2019年のカレンダーも残すところあと1枚。これからのシーズン、何かとお酒を飲む機会が増えるのではないでしょうか。また、飲みすぎて急性アルコール中毒になり搬送される人は12月がもっとも多い(※)といわれています。今回の健康情報では「“酔い”の知識」「お酒との正しい付き合い方」について紹介します。
(※)東京消防庁「月別の急性アルコール中毒による救急搬送人員(平成30年中)」
お酒を飲んで酔っ払ってしまうのは、お酒の中のアルコールが脳をマヒさせるためです。体に入ったアルコールが血液に溶け込んで脳に届くと、理性をつかさどる大脳新皮質や感情をつかさどる大脳辺縁系、運動をつかさどる小脳などさまざまな部分に影響を及ぼします。これが、「楽しくなる」「怒りっぽくなる」「千鳥足になる」など「酔っ払った状態」につながります。
アルコールは分解されて代謝されていきますが、その代謝能力には個人差があります。これが「お酒に弱い人」「強い人」の違いです。
ひとことで「お酒」といっても含まれるアルコールの濃度(強さ)はさまざまです。飲む量よりも摂取したアルコール量を気にしましょう。厚生労働省によると「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで約20g程度であるとされています。
また性別や年齢、体重などアルコールの代謝能力には個人差が大きいため、自分の適量を知っておくことも大切です。
五訂増補日本食品標準成分表
アルコールの代謝はその日の体調にも左右されます。体調が悪い日など、いつもは酔わない量で酔ってしまう場合も。自分の体調には十分に注意しましょう。休肝日を設けることも大切です。
食事をとりながら一緒に飲酒すると、アルコールが胃に長くとどまることで血中のアルコール濃度の上昇を抑えることができます。たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などを含むおいしい食事を楽しみながらゆっくりお酒を楽しみましょう。
「アルハラ」はアルコール・ハラスメントの略。飲酒にまつわる迷惑行為や人権侵害です。みんながお酒の席を楽しめるよう、アルハラは絶対にやめましょう。
(特定非営利活動法人ASKおよびイッキ飲み防止連絡協議会)
・飲酒の強要
・イッキ飲ませ
・意図的な酔いつぶし
・飲めない人への配慮を欠くこと
・酔ったうえでの迷惑行為
急性アルコール中毒はいわゆる「酩酊」以上の状態のことを指します。意識レベルや呼吸数が低下したり、吐いた物をのどに詰まらせたりして死亡する可能性もある危険な状態です。
東京消防庁によると、過度の飲酒等により急性アルコール中毒で病院に搬送される人は毎年15,000人以上(「過去5年間の急性アルコール中毒搬送人員の推移」平成27~30年)。急性アルコール中毒の症状がある場合は、まずは近くの人が応急手当を行い、症状の度合いに応じて救急車を呼んだり医療機関を受診させたりしましょう。
理想的な姿勢「回復体位」
・絶対に一人にしない
・衣服をゆるめて楽にする
・体温低下を防ぐため、毛布などをかけて暖かくする
・吐物による窒息を防ぐため、横向きに寝かせる
・吐きそうになったら、抱き起さず横向きの状態で吐かせる
・意識がなく、揺り動かしたりつねったりしても反応がない
・体が冷たくなっている
・呼吸が不安定
・泡を吹いたり失禁したりしている など
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健康情報を更新しました 「注意したい冬の感染症「インフルエンザ」「ノロウイルス」」
今月の健康情報は「注意したい冬の感染症「インフルエンザ」「ノロウイルス」」です。
注意したい冬の感染症「インフルエンザ」「ノロウイルス」
秋が一段と深まり、近頃は気温が下がって一気に冬の雰囲気に近づいてきましたね。今回は冬に流行する感染症の代表格「インフルエンザ」と「ノロウイルスによる胃腸炎」について、病気の予防法や、なってしまった場合の対応について紹介します。
インフルエンザは「インフルエンザウイルス」が起こす感染症で、感染力が強く重い合併症を引き起こすことがある病気です。11月下旬ごろから流行が始まり、1~2月ごろにピークを迎えます。
・流行のピーク:1月~2月
・感染経路:飛沫・接触感染
・症状:38度以上の発熱、強い倦怠感・関節痛
インフルエンザワクチンにはインフルエンザの発症や重篤化を予防する効果があります。接種から抗体ができるまで2週間程度かかるので、まだ受けていない方は早めに受けるようにしましょう。
こまめな手洗い、アルコール消毒液などでの消毒を行い、体に菌を入れないようにしましょう。
体が弱っているとウイルスに感染しやすくなります。バランスのいい食事、睡眠を心がけましょう。
インフルエンザを疑う症状があった場合は早めに医療機関を受診しましょう。治療薬は発症から48時間以内に服用することで効果的に症状を抑えることができます。
一年を通して発生する感染症ですが、特に冬に流行し、11月ごろから発生件数が増え始めます。
・感染経路:経口感染
・汚染された食品の生食
・患者の排泄物・嘔吐物などからの二次感染
・感染者の調理した食品の飲食等
ウイルスは熱に弱いため、汚染の恐れがある二枚貝などはよく加熱調理して食べるようにしましょう。中心部が85~90度で90秒以上過熱するのが有効とされています。
ノロウイルスの感染力は非常に強く、わずか数十個のウイルスで発症するといわれています。アルコールは無効なため、かならず石鹸を用いてこまめに手洗いをするよう心がけましょう。
ノロウイルスに対するワクチンはまだなく、治療は対症療法が主なものになります。脱水症状を防ぐため、経口補水液などで水分補給をするようにしましょう。
また、感染者の吐物や糞便は、使い捨ての手袋やマスク、次亜塩素酸ナトリウムを含んだ消毒液を用いて適切に処理することも必要です。
健康情報を更新しました 「健康的に食欲の秋を楽しもう」
今月の健康情報は「健康的に食欲の秋を楽しもう」です。
健康的に食欲の秋を楽しもう
秋といえば、たくさんのおいしい食材が旬を迎える季節。今回は、「食欲の秋」にちなんで健康的に食事を楽しむための情報をお伝えします。
秋に食欲が増す原因にはいろいろな説があります。その中で、ある程度根拠があるといわれているのは「日照時間減少」と「気温の低下」です 。
夏から秋にかけて日が落ちるのが早くなり、日照時間が減少します。この日照時間の減少に影響されて減ってしまうのが、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」です。セロトニンは感情や気分のコントロールに深くかかわっており、不足すると睡眠障害やうつなどの原因にもなります。
セロトニンは、以下のような食品の栄養素から合成できるといわれています。
・ビタミンB6…魚(特にサンマやイワシなど)、肉、レバーなど
・トリプトファン…魚、肉、大豆製品、卵、ナッツなど
・炭水化物…穀類やいも類、果物や砂糖など
秋に食欲が増すのはこのような栄養を摂ってセロトニンを増やし、精神の安定を保とうとしているからではないかというのが一説です。
秋になって気温が下がると、体温を維持するために基礎代謝(生命を維持するために必要なエネルギー )が上がります。エネルギーを多く使うため、それを補給しようと食欲が増すのです 。ただ、近年はエアコンなどの普及で季節変化の基礎代謝への影響は考慮しなくてもよいという説もあります 。
旬の食材は栄養価が高いため、健康のためには積極的に摂取したいもの。ただ食べ過ぎたり食べ方を間違えたりすると体に負担をかけることになります。秋の食材がおいしいあまり「毎年秋に太ってしまう」という方も多いのではないでしょうか。食欲の秋だからこそ、日ごろの食事のとり方を見直してみませんか?
夏に好んで食べていた「あっさり味」の冷たい料理に比べ、秋冬に食べたくなる「煮物」や「お鍋」などは塩分が多くなりがちです。さらに、夏に比べ汗をかく量が減ってくるため、体にとって塩分過剰になってしまう場合も。また秋の食材は特に脂がのっています。例えば、秋の味覚の代表格・サンマは、なんとこの時期は身の3割近くが脂肪です。いくら体にいい食材とはいえ、塩分・脂質の摂りすぎはむくみや体重増加、生活習慣病にもつながります。もし食べ過ぎてしまった場合は減塩を心がけ、翌日の食事を調整するなどしましょう。
サツマイモや栗、新米や糖度が高い果物など、秋が旬の食べ物は甘くておいしいですよね。ただ、甘みが強い食べ物の中には、糖質がたくさん含まれ血糖値を急激に上げてしまうものも多いのです。血糖値の急上昇は糖尿病にもつながります。これを防ぐには食べる順番を意識するのが大切です。野菜や海藻、秋が旬のキノコなど食物繊維が多い食べ物は、糖の吸収を緩やかにすることができるので、始めに食べるようにしましょう。
早食いすると脳が満腹を感じるまで時間がかかるため、食べ過ぎにつながります。よく噛んで食べることで食べる量を適量に抑え、唾液の分泌が増えて消化を助けることができます。噛む回数を増やすためには噛み応えのある食材を使用するのが◎。ゆっくりと味わって食事を楽しみましょう。
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健康情報を更新しました 「9月は健康増進普及月間。「ロコモ」予防で健康寿命を延ばそう」
今月の健康情報は「9月は健康増進普及月間。「ロコモ」予防で健康寿命を延ばそう」です。
9月は健康増進普及月間。「ロコモ」予防で健康寿命を延ばそう
9月1日から30日までの1カ月は厚生労働省が推進する「健康増進普及月間」です。これは「『健康寿命』の延伸」のため「生活習慣病の特性や運動・食事・禁煙など個人の生活習慣の改善の重要性についての国民一人ひとりの理解を深め、さらにその健康づくりの実践を促進する」(※1)ことを目的に毎年行われています。今回は健康増進普及月間にちなんで、健康寿命を延ばす取り組みの中から「運動器の健康(ロコモティブシンドロームの予防)」にフォーカスしてお伝えしていきます。
「健康寿命」は、生まれてから死ぬまでの期間(寿命)のうち、医療や介護に頼らずに自立した生活ができる生存期間のことで、2000年にWTO(世界保健機関)が提唱しました。日本では3年に一度、国民生活基礎調査で「健康上の問題で日常生活に影響がない」と答えた人の割合や年齢別の人口などから都道府県ごとに算出しています。寿命のうち健康寿命の割合が高い、つまり生活のより長い期間を健康に自立して過ごせることは人生の質向上にもつながります。これからは寿命とともに健康寿命の向上を意識していくことが大切です。
日本人の平均寿命は、2018年の調査で女性が87.32歳、男性が81.25歳(※2)(過去最高)となっており 、今後も延びていくと予想されています。一方健康寿命は2016年の調査で、女性は74.79歳、男性は72.14歳(※3)と10年前後も開きがあり、健康な長寿社会の実現には課題が多いのが現状です。そのような中、厚生労働省は2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延ばすことを打ち出し(2019年3月)、取り組みを進めています。
それでは、寿命を全うするまで自立して健康にいられるためにはどうしたらよいのでしょうか。認知症予防や生活習慣病予防等とならんで重要な要素のひとつは「運動器」です。運動器とは骨や筋肉、関節のほか、脊髄や神経が連携し、身体を動かす仕組みのこと。それが衰え「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態を「ロコモティブシンドローム(通称ロコモ)」といいます。ロコモが進むと転倒・骨折しやすくなり、寝たきりにつながりやすいといわれています。要支援・要介護になる大きな原因のひとつが転倒・骨折や関節の病気など運動器の障害によるものなのはご存知ですか?実は認知症や脳血管障害(脳梗塞など)より多く、原因全体の約4分の1を占めているのです。(※4)
「ロコモ度テスト」は将来ロコモティブシンドロームになる可能性を判断するテストです。足腰を使う機会が少ない現代ではどんな世代の方でもロコモの危険があります。ぜひ自分のロコモ度を診断しこれからの健康維持に役立てていきましょう。
片足または両足で決まった高さから立ち上がり、脚力を図るテストです。
歩幅を測定し、下肢の筋力・バランス能力など歩行能力を測ります。
注意
●無理をして転んだりしないように注意してください。
●腰や関節の痛み、筋肉の衰え、ふらつきといった症状が悪化してきている場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
診断の結果はいかがでしたか?ロコモを防ぐには適度な運動と適切な食生活(体重管理)が大切です。今回はロコモ度が高かった方にぜひ実践してほしい、ロコモ対策に有効な運動(トレーニング)を紹介します。
① 目を開いてしっかり立つ
② 片足を軽く上げ、1分間保つ
③ 足を下ろし、もう片方の足を軽く上げ、1分間保つ
① 足を30°くらいに開き、しっかり立つ
② お尻の下ろし上げを5~6回くりかえす
※深呼吸をしながら行います
※体重が足の裏の真ん中にかかるようにします
※曲げたひざはつま先より前に出ないようにします
※ひざの曲がりは90度を超えないようにします
注意
●負担をかけすぎるのはけがや故障の原因になります。自らの体重・体調・体力に応じてできる範囲で行いましょう。
●病院で治療等を受けている方は医師の指示に従ってください。
●転倒する恐れがあります。必ずつかまるものがある場所で慎重に行いましょう。
※1 厚生労働省 令和元年度健康増進普及月間について
※2 厚生労働省 平成30年簡易生命表
※3 厚生労働省 平成28年国民生活基礎調査
※4 日本整形外科学会公式ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモonline」
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