今月の健康情報は「花粉症~セルフケアと治療でつらい症状を改善~」です。
花粉症~セルフケアと治療でつらい症状を改善~
スギ花粉の飛散が始まるこれからは花粉症の方にとってはつらい季節。まだなっていない方も今後かかる可能性もあります。今回は花粉を避けるためのセルフケアや病院で行う花粉症の治療方法について紹介します。
花粉に対して人間の体が起こすアレルギー性疾患の一つです。「アレルギー性鼻炎」や「アレルギー性結膜炎」とも呼ばれます。花粉(アレルゲン)が口や鼻、目に入ると体が花粉を「異物」と判断し体を守ろうとします。その結果くしゃみや鼻水、目・皮膚・喉のかゆみなどの症状が起こるのです。
日本では1年をとおしてさまざまな花粉が飛散しており、前年の気象やお住まいの地域によって飛散時期・飛散量が異なります。参考に、関東地方の飛散時期を以下に掲載してます。日本気象協会のウェブサイトなどでお住いの地域の飛散状況を確認してみましょう。
・スギ(飛散時期:2月上旬から4月下旬)
…日本の国土の12%を占め、花粉症患者の約7割はスギ花粉が原因といわれる
・ヒノキ(飛散時期:3月中旬から5月中旬)
…国内ではスギに次いで植林面積が広い。
・イネ科植物(飛散時期:それぞれの花期5月から10月)
…カモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤなど
・ブタクサ、ヨモギ(飛散時期:8~10月ごろ)
…秋の花粉症の原因に
花粉症対策の基本はできるだけ花粉を体内に入れないこと。日常生活の中で花粉対策をすることがとても重要なのです。
花粉を物理的に防ぐことは有効です。飛散が多い際には、マスクを使うことで吸い込む花粉の量を3分の1から6分の1に減らすことができるといわれています。予防にも効果的です。眼鏡の着用では目に入る花粉を2分の1から3分の1まで減らすことができるといわれています。
花粉が洗濯物につき、室内に持ち込まれるのを防ぎます。室内に入ってくる花粉量の約36%がふとんや洗濯物への付着による持ち込みだという研究もあります。
帰宅時は服についた花粉を落とし、早めにシャワーを浴びて体や髪の毛についた花粉を落としましょう。花粉がつきやすい上着などは玄関近くに収納し持ち込まないのがおすすめです。また、表面がつるつるして静電気を起こしづらい素材の衣類は花粉の付着を抑制することが期待されます。
うがいをすることで粘膜の花粉を除去することができます。また室内を適切に加湿することで粘膜自体を保護することもできます。
花粉症により日常生活に支障が出て困る場合は薬やレーザーなどによる治療が必要です。花粉症治療には主に以下の3つの治療法があります。
薬を服用して花粉症の症状を抑える治療法です。花粉症の薬は市販で販売されているものもありますが、それぞれ花粉症の種類や強く出る症状は違うため、医師による処方を受けましょう。
鼻炎治療用レーザーで鼻の表面の粘膜部分をレーザー照射で薄く焼却することで、鼻のアレルギー反応を鈍らせる治療法です。日帰りで行うことができる治療で副作用はほとんどありません。
薬やレーザー治療でも効果が十分でない場合にはアレルゲン療法が行われます。減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量投与していくことで、体をアレルゲンに慣らしアレルギーの症状を和らげる治療法です。皮下免疫療法と舌下免疫療法があり治療期間は3~5年と長いですが、年単位で治療を行うことで根本的な体質改善が期待できると考えられています。
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