今月の健康情報は「汗・湿度による皮膚疾患」です。
汗・湿度による皮膚疾患
この時期は湿度が高く汗が乾きにくいため、皮膚疾患も起こりやすい時期です。
汗をかきやすい部位は汗疹(あせも)に悩まされたり、水虫の感染にも注意が必要です。
今回は、夏場に注意したい皮膚疾患についてご紹介いたします。
あせもは正式には「汗疹(かんしん)」と呼ばれ、その名の通り、汗により悪化する発疹のことを言います。大量に汗をかいた時などに、汗を出す汗腺(かんせん)に汗・ほこり・垢(あか)などが詰まって、炎症を起こします。特に皮膚に菌がいる場合は赤みが出てきたり、かゆみがひどくなります。
頭・額・手足のくびれ、背中やおしりなど汗の溜まりやすい場所に数ミリの盛り上がった発疹が出ます。
悪化すると発熱などを引き起こす場合があります。
あせもはアトピー性皮膚炎とは異なり、数日で自然と治りますが、汗をかく環境では治っても再発を繰り返します。かゆみが強いときにはステロイド外用薬を使いますが、あせもの治療はスキンケアが基本です。
汗をかいたら濡れタオルやガーゼで拭き取りましょう。
こまめにシャワーで汗を流しましょう。
掻きすぎると、傷口から細菌感染の恐れがあるので早めの治療が必要です。
なるべく汗をかかないようにしましょう。
健康的に汗をかいた場合も清潔を心がけることが予防に繋がります。
•高温多湿の環境を避ける
•エアコンや除湿機を利用し、室温を28℃前後に保つ
•汗をかいたら、できるだけ拭き取るもしくは洗い流す
•普段から石鹸を使い、皮膚を清潔に保つ
•小まめにシャワーをする(38℃前後のぬるめのお湯)
•保湿剤などを使用する
水虫は「白癬(はくせん)菌」というカビの一種が、皮膚の角質を餌に繁殖して生じるもので、比較的、足に症状が出ることが多いです。白癬菌は高温多湿を好むことから、梅雨〜夏場にかけて、感染率が高まります。
初期症状はかゆみで、段階が進むと小さな水ぶくれが足の裏や側面にできます。炎症が進行すると、強いかゆみが生じ、掻くことで皮がボロボロと剥けます。
しっかりと白癬菌を退治することが重要です。
皮膚科を受診するか、市販薬でも対応が可能です。
ただし、症状が軽くなったときに自己判断で放置すると再発し長引きますので、塗り薬を継続し根気よく治療をすることが重要です。
水虫は空気感染することはなく、空気中の白癬菌を吸い込んでも感染することはありません。
また、水虫の人の足に接触しても直接感染することはなく、感染している人の患部から落ちた垢を別の人が踏むことで感染する可能性が高まります。
共有して使うバスマットやスリッパを使うことにより感染することが多く、家族に水虫の人がいる場合は注意が必要ですので、以下の点に注意しましょう。
・こまめに足を洗う
・足を蒸れさせない
・バスマットやスリッパはできる限り共有しない
ただし、感染するためには24時間以上かかることから、一日一回の入浴などで菌を洗い流し、清潔を保っていれば、ほとんどの場合感染することはありません。
しかし、ただ蚊に刺されただけで重い症状を引き起こす場合があります。
体質によっては発熱や蕁麻疹を伴う可能性もあるので注意が必要です。
刺された直後から激しいかゆみを感じ、水ぶくれを生じる場合があります。
蚊に刺された場所では、注入された蚊の唾液腺物質に対するアレルギー反応(蚊アレルギー)が生じる場合もあり、反応の強さにより症状が異なります。
個人差はありますが、重症化すると、全身に発熱や、蕁麻疹などの症状が出ます。
刺された部分に外用薬を塗布します。虫刺され用の市販薬には以下の2種類があり、症状によって薬を使い分けることをお勧めします。
不明点は、購入時に薬剤師もしくは販売士に尋ねましょう。
・抗ヒスタミン薬(かゆみを抑えるもの)
・ステロイドの入った抗ヒスタミン薬(炎症を抑えるもの)
何よりも蚊に刺されないことが重要です。
・虫よけスプレーや蚊取り線香などの使用。
・蚊の発生源である水溜りなどを減らす。
・屋内であれば、窓を開けたままにせず網戸にする。(網戸に虫よけスプレーをする)
今回ご紹介した皮膚疾患は一例です。気になる症状は、重症化する前に、医療機関に相談しましょう。
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