今月の健康情報は「紫外線の与える影響」です。
紫外線の与える影響
紫外線は夏のとても暑い時期に多いと思われがちですが、5月〜7月にかけて1番多く降り注いでいます。
夏が来たと思って紫外線対策を始めても、もう遅いのです。
梅雨の時期で曇っていても、地上に届く紫外線量は、晴れた日とほとんど変わりません。
必要に応じて、自分に合った対策を行いましょう。
紫外線とは、太陽から放出される光線で肉眼では見ることができない「不可視光線」です。英語では「Ultraviolet(ウルトラバイオレット)」と呼ばれ、良く使うUVという言葉はここから来ています。太陽の光の届く明るい場所であれば、日陰や室内であっても紫外線は体に侵入して来ます。
■UVC:大気層(オゾンなど)で吸収され、地表には到達しない。
■UVB:太陽から届く紫外線の約1割と量は少ないが、肌への作用が強いため短時間浴びただけでも、日やけによる炎症反応を引き起こす作用がある。炎症やしみの原因となるだけでなく、肌表面の表皮細胞やDNAを傷つけるなど、生体への影響が強い。
■UVA:肌に急激な障害を与える作用は弱いが、太陽から届く紫外線の約9割を占め、肌に蓄積的なダメージを与える。肌の奥の真皮にまで侵入し、肌のハリや弾力を失わせて光老化を引き起こす原因となり、すでにできているメラニン色素を酸化させ、肌を黒くさせる作用もある。
紫外線(UV)を浴びると、肌が赤くなったり黒く褐色したりして『日焼け』します。この状態を医学的には『日光皮膚炎』と呼び、肌が低温やけどした状態のことを指します。同じように紫外線に当たったとしても、人によって日焼けの症状には個人差があります。日焼けは肌がやけどした危険な症状であり、将来的にしみ・しわ・たるみや、皮膚がん・白内障を引き起こす原因となる可能性があるため注意が必要です。
紫外線=皮膚(肌)に関連する悪影響を思い浮かべますが、それらと同じくらい注意が必要なのが『白内障(はくないしょう)』などの眼の病気です。
■白内障
白内障の大きな原因は『加齢(老化現象)』ですが、WHO(世界保健機関)の報告によると、白内障の約20%、つまり5人に1人が紫外線が原因であるという報告がされており、紫外線量の多い地域に白内障患者が多い事も分かっています。
■雪眼炎(雪目)
雪眼炎とは、雪山や海などで、長い時間反射した紫外線を眼に浴びた時に眼の角膜が炎症(角膜炎)を起こす症状のことです。激しい痛みを伴うこともあり、光誘発性角膜炎とも呼ばれます。特に新雪は約85%も紫外線を反射させるため、直射日光を浴びなくても紫外線を浴びる危険性があります。スキー、スノボをする際はゴーグルなどで眼を覆うようにしましょう。
■老化
老化の9割は紫外線によるものだといわれています。紫外線のUV-A波は、皮膚の表面だけではなく、真皮にまで行き届くため、たるみなどの原因となり、皮膚の老化を早めると言われています。
■乾燥肌
紫外線に当たることで、肌の角質が剥がれ落ち潤いがなくなります。そのため、皮がむけてしまい痒みが出てくることもあります。子どもは特に肌が敏感なので、アトピーなどの原因となることもあります。
■アレルギー
日光アレルギーは光線過敏症とも言われ、日光に当たると皮膚に湿疹がでたり赤みが出てきたりする状態です。症状が酷い場合は、頭痛や吐気を感じることもあるので、医療機関を受診しましょう。
紫外線は体に悪い影響を与えるイメージがありますが、良い効果もあります。
晴れた日に出掛けたり、スポーツを楽しむことは非常に気持ち良く、ストレスの解消にも繋がります。
洗濯物や布団を外に干し、紫外線(日光)に当てることで、におい残りや、雑菌が繁殖するのを防ぐ効果があります。
人間の体はたくさんの栄養素を必要としており、紫外線(UV-B波)に当たることで、体内でビタミンDを作り出します。日光に長時間当たるのではなく、普通に生活をして、紫外線を受けていれば、必要なビタミンDが生成されています。
ビタミンDの効果
紫外線を防ぐには以下の対策が効果的です。
外出する際は、日焼け止めを塗って紫外線対策を行いましょう。日焼け止めは汗や水で効果が薄れますので、2〜3時間毎に塗り直すのが理想的です。
現在は様々な種類が販売されていますので、用途によって使い分けると良いでしょう。
ドラックストアなどで購入される際は、記載の注意事項を確認したり、販売士に尋ね、自分に合ったものを選びましょう。
日焼け止めに加え、帽子や日傘・サングラスなどを利用することで、より紫外線を防止することが可能です。最近はUVカット加工の施されているものも多く販売されています。
紫外線は午前10時〜午後2時の時間帯が最も強いです。この時間はむやみな外出を控えたり、日陰を選んで歩くなどし、紫外線をなるべく避けるように行動すると良いでしょう。
きちんと対策を行っても、100%紫外線を浴びないということは不可能です。うっかり日焼けをしてしまった時は、しっかりケアを行いましょう。
日焼けによって肌が赤くほてった状態=軽いやけどと同じ状態です。冷水のシャワーを日やけ部位にかけたり、濡れタオルや氷水などで熱を冷まし炎症を抑えましょう。
日焼けによる赤みが引いても、熱を持った部分はどんどん放出しようとし、肌の水分が奪われます。化粧水や保湿剤をたっぷりと付け、水分をしっかり補給しましょう。
日焼けした場合それ以上、日焼けしないように心がけることも大切です。紫外線は浴びれば浴びるほど肌(皮膚)に負担がかかります。
日頃から紫外線対策を行い、肌への負担を減らすようにしましょう。
もし、日焼けの後の皮膚の炎症・痛みが引かない場合や水ぶくれが出来てしまった時は、皮膚科を受診し、医師の指導の元、適切な処置を受けましょう。
提供:メディアコンテンツファクトリー