今月の健康情報は「おたふく風邪」です。
おたふく風邪
冬場に流行していたインフルエンザが終息し、安心していたのもつかの間。春には春の感染症が流行し始めます。今回の健康情報のテーマは春の感染症の一つである「おたふく風邪(流行性耳下腺炎)」についてご紹介いたします。
正式名称を「流行性耳下腺炎」といいます。ムンプスウイルスの感染により発症します。
主に春に子どもの間で流行しますが、大人が感染すると重症化しやすい病気でもあり、妊娠中にかると流産の原因になることもあります。
初期症状は軽い発熱・頭痛・倦怠感などの、一般的に風邪とよく似た症状が見られます。
進行してくると、耳の下(耳下腺)や顎の下(顎下腺)、頬がぷっくりと腫れ、触ると痛みを感じます。
また、38℃前後の発熱を伴う場合がありますが、まったく発熱をしないという場合もあります。
■初期症状:風邪とよく似た症状
■進行後:頬の腫れや、38℃前後の発熱
飛沫感染や接触感染が主な感染経路です。人から人に広がります。
特に、お子さんの看病をしている大人はかかりやすく注意が必要です。
■飛沫感染・・・咳、くしゃみ、会話
大人がおたふく風邪に感染した場合、子どもの場合と異なり、症状が強く現れることがあります。
主な症状は、子どもの場合と同じですが、合併症を引き起こすことがあります。
【合併症】
髄膜炎、難聴、睾丸炎、卵巣炎、膵炎など
おたふく風邪の症状の経過です。
おたふく風邪には特効薬がなく、対処療法が主な治療となります。
症状が確認されたら、まずは医師の診察を受けることをお勧めいたします。
有効な薬がないため、高熱や耳下腺の痛みには解熱鎮痛薬を使用します。
合併症を起こした場合は入院することもあります。
耳下腺や顎下腺が腫れた場合は、濡れタオルで冷やすと痛みが和らぎます。
温めたほうがよさそうであれば、温湿布やタオルなどを利用しましょう。
唾液が出ると痛みを感じます。飲食は酸っぱいものを避け、あまり噛まなくても良いものにしましょう。
■ムンプスウイルスは、接触・飛沫で人から人へ感染します。 マスク・手洗い・うがいで二次感染を予防しましょう。
■お子さまが感染すると片耳が難聴になるケースもありますので、1歳を過ぎたら予防接種を受けましょう。
予防接種のすすめ
予防接種を受けていれば、発症しても軽くすむ場合がほとんどです。
乳幼児が健康に育つために予防接種は欠かせません。
必要な時期に、必要な予防接種を受けましょう。
■妊婦の方が感染すると、流産の原因になる場合もあります。
ワクチンウイルスが胎児へ移行するリスクがあるため、妊娠後にはワクチンの接種が受けれませんので、注意が必要です。
これから妊娠を考えている女性とご家族の方は、事前に抗体検査を受け、ワクチンを接種しておくことをお勧めいたします。
おたふく風邪の初期症状は、一般的な風邪と症状が似ているため、分かりづらい場合があります。
お子さんの幼稚園や保育園、学校で流行している場合は、気を付けましょう。
少しでも気になる症状がある場合は、医師にご相談ください。
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