今月の健康情報は「感染性胃腸炎」です。
感染性胃腸炎
感染性胃腸炎は冬場に流行する感染症の一つです。
学校や社会福祉施設などでの集団発生もよく見られますので、流行のピークを迎える冬場は特に注意が必要です。
ウイルスや細菌等を原因とする消化器症状の総称です。
主に汚染された食物摂取等の経口感染によって発症します。
主な症状は突然の嘔吐・腹痛・下痢・発熱です。
乳幼児や高齢者は脱水症状を起こすことがありますので、注意が必要です。
ウイルスによるものと細菌によるものに分かれます。
・細菌によるもの…カンピロバクター、病原性大腸菌、サルモネラなど
今回は、特に冬場に流行するノロウイルス、ロタウイルスについてご紹介します。
乳幼児から成人まで幅広く発症します。
比較的軽症ですが感染力が強く、何度もかかる場合があります。
【季節】
季節を問わず発症しますが、生食で食べる機会の多いカキが旬を迎えることや、空気が乾燥することなどから、冬場に多く見られます。
【感染経路】
・貝類の生食などによる食中毒。
・患者の吐しゃ物やふん便などから直接または二次的に感染する場合。
・感染者の調理した食品を食べた場合。
2015年に、ノロウイルスの新型が発見され、2016年も引き続き大流行が懸念されています。
新型ノロウイルスは、症状・対処法などは従来型とほぼ同じですが、免疫を持つ人がほとんどいないため、感染拡大の危険性が高まっています。
患者数が増えれば重症者も増えるので、抵抗力の弱い高齢者や子どもは特に注意が必要です。
ウイルス性胃腸炎の主な原因となるウイルスです。
乳幼児の急性下痢症の最も主要な原因がロタウイルスによるものです。 幼稚園・保育園などでの集団感染も多く見られます。
激しい嘔吐と白色の水様下痢が特徴で、高熱を伴い重症化する場合もあります。
【季節】
冬から春にかけて流行します。
【感染経路】
・汚染された食品や水を摂取した場合。
・汚染された物の表面に接触して、手指から口に入り感染する場合。
治療法は病原体によって異なります。
ウイルス性の場合は特効薬がないため対症療法となります。
脱水症を防ぐため、経口補水液などで水分補給をします。
乳幼児には赤ちゃん用のイオン飲料水などを少しずつ何回かに分けて飲ませてあげましょう。
また、胃腸に負担のかからない食事をとるよう心がけましょう。
尿が減る、ぐったりする、唇が乾燥する、反応が悪い等、脱水症状が見られる、 水分を受け付けない等の場合は、早急に小児科を受診してください。
・便や吐しゃ物に直接触れないようにする
便や吐しゃ物を処理する際は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用しましょう。
・手洗い・うがい
便・吐しゃ物の処理後、排便後、調理や食事の前には石けんで十分に手を洗い、 外出後はしっかりうがいもしましょう。
・二枚貝の加熱調理
カキなどの二枚貝を調理する際は、十分に加熱しましょう。
気になる症状が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。
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