今月の健康情報は「1月に多い事故について」です。
1月に多い事故について
1月は、飲酒やお餅による事故など、この時期の行事が原因となる事故の報告が増える時期でもあります。
寒さと乾燥が厳しくなり、暖房器具による事故や、地域によっては積雪による転倒被害なども。
今回の健康情報のテーマは「1月に多い事故」についてご紹介いたします。
年末年始は餅付きのイベントに参加したり、お餅を食べる機会が増えると思います。この時期に必ず報じられるのが窒息事故です。窒息事故は調理方法の工夫や食べ方などで、ある程度予防することが可能です。
高齢者や小さな子どもが食べる際には、特に注意が必要です。
昔から「お餅」は、よく喉に詰まる食べ物として知られていますが、厚生労働省の調査では、ごはん・パン・お粥にいたる穀類が最も多く、その次に、あめやだんご、カップ入りゼリーなどの菓子類が注意が必要な食品であるということが明らかになっています。
【窒息事故例の主な原因食品】
・もち
・ご飯(おにぎり含む)
・パン
・だんご
・お粥
・あめ
・カップ入りゼリー
厚生労働省HP 「食品による窒息の現状把握と原因分析」参照
・一口で食べやすい大きさに切っておく。
・急いで飲み込まず、ゆっくりとよく噛む。
・飲み込まないうちに、次の食品を口に入れない。
・食事の際は、お茶や水などを飲んで喉を湿らせる。
・食事中は、歩き回ったり寝ころばない。
・高齢者や小さな子どもが食事をする際は、目を離さないようにする。
何らかの食品を喉に詰まらせ呼吸が出来ない状態を発見した場合、すぐに救急車を手配します。
次に、異物の除去を始めます。当人に呼びかけを行い、意識がある場合は可能な限り咳をさせましょう。
咳をすることで異物を喉から除くことができます。
もしも咳が出来ない場合や異物が出てこない場合は、背部叩打法(はいぶこうだほう)を行います。
【背部叩打法(はいぶこうだほう)】
気道に異物が入ったとき除去する方法の一つ。
1.頭を体より低くさせる。
2.背中をたたきやすいように、窒息者の横(後ろ)に回る。
3.手のひら全体で背中(肩甲骨)を強く、素早く何度も叩く。
※1歳未満の子どもにも可能
雪の降った翌朝などは路面が凍結しているため、転倒事故による骨折が増加します。
特に高齢者は、転倒による骨折が寝たきりや介護の原因となることもあり、「要介護」となる原因の1割近くを占めています。
天気によっては、不要な外出は避けるなどして、十分に注意しましょう。
冬は灯油、電気、ガスを使った暖房器具の使用が増えます。これらの製品は扱い方を間違えると、重大な事故につながる恐れがあります。いつも使用しているものだからと油断せず、使用する際は細心の注意を払いましょう。
毎年多くの事故が報告されているのが「電気ストーブ」です。火を使わないので、気持ち的な油断ができやすく、カーテンなどの近くに置いたり、衣類を乾かすために使用し、接触することで火が出て大惨事を引き起こします。
・周囲に可燃物を置かない。
・衣類を乾かすために使用しない。
・目の届くところに置く。
・使用しないときは、コンセントを抜いておく。
使用時に一酸化炭素が急激に増加し、中毒になる恐れがあります。無臭のため気付きにくく、一酸化炭素中毒で死亡するケースもあるので注意が必要です。
・換気は小まめにおこなう。(1時間に1回程度)
・スプレー、カセットボンベなどの可燃物を近くに置かない。
・灯油は長い時間保管しておくと変質し酸化劣化するため、管理に注意する。
・火をつけたまま給油し、灯油がこぼれ引火する事故も多いため、必ず火を止めてから給油を行う。
40~50度で比較的温度が低い場合でも、皮膚に長時間触れていると低温やけどを起こします。低温やけどは皮膚の深いところで起きるので治りにくい場合があります。
・湯たんぽなどを使用する場合は、直接肌に当たらないように厚手のタオルなどで包んで使用する。
・使い捨てカイロを使用する場合は、就寝時の使用は避け、直接肌に貼るなどの行為もやめる。
有効期限の切れたものは、温度変化に注意する。
今回ご紹介した事故は一例です。
ちょっとした気の緩みが、重大な事故を招く場合もありますので、普段から、気を付けて生活しましょう。
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